光と影 2008 11 2

書名 月刊現代 2008 12

月刊現代には、ソロス氏へのインタビューがあります。
(以下、引用)
(ソロス氏) 政府は、そもそも誤った前提のもとで動いています。
市場原理主義への信奉が強すぎるのです。
「市場は常に平均値に戻る」という論理に固執しているのです。
この考え方をもう少しわかりやすく語れば、
「市場は自己修正できるので、市場に任せておけばいい、
政府が介入する必要はない」ということですが、
これは、誤りだと思う。
(以上、引用)
 この点について、私も意見を書きます。
モラルが確保できれば、市場原理主義も可能だと思います。
ただし、現実には、市場原理主義は、
「モラルを失った拝金主義」に行き着くと思います。
つまり、市場原理主義の終着駅は、拝金主義ということです。
99%の人間は、大金を目の前にすれば、理性を失う。
 次の話題に移りましょう。
(以下、引用)
いまから2年前、2006年9月のIMF総会のスピーチで、
ニューヨーク大学教授のヌリエル・ルービニ氏は、
アメリカに金融危機が起きると警告したが、
「人騒がせな人」と相手にされなかった。
(以上、引用)
 日本のバブル経済の時も、識者が警鐘を鳴らしても、
「人騒がせな人」と相手にされなかったという現象が観測されました。
 過度に盛り上がっている宴会で、「閉会にしましょう」と言っても、
顰蹙(ひんしゅく)を買うだけで、誰も言うことを聞かないでしょう。
そして、「宴の後」は、どの国も、同じです。
 さて、この月刊誌には、
「小泉改革とは何だったのか」という特集記事があります。
駆け足のように過ぎ去った小泉改革を振り返るのも、
ちょうどよい機会だと思います。
断片的な記憶や知識を整理するには、ちょうどよい記事だと思います。

チキンレース 2008 8 24
「バブルは崩壊して初めて、バブルだったと知る」
それは、現代においては、誤りです。
 昔は、勘に頼った投資をしていたから、
「バブルは崩壊して初めて、バブルだった」と知ることになりましたが、
今や、一般投資家ですら、詳細なデータを手にすることができるのです。
たとえば、株式投資ならば、チャートに、PERやPBR、株価指数、RSI、MACDなど。
すべてのデータがバブルを警告している場合だって、あり得るのです。
 それでも、現代においては、
バブルだと知りつつも、バブルに乗るのです。
 なぜか。
これは、学者にはわからないと思います。
実際に投資をしている人に聞くのが早いと思いますが、
回答は、こういうことだと思います。
 あなたが投資ファンドを運営していたとします。
あなたのファンドが投資している金融商品は、
あらゆるデータを見ても、過熱を示していて、バブルだと思ったとします。
 さあ、あなたは、この過熱ゲームから降りますか。
今すぐ、この過熱ゲーム(ババ抜き)から降りれば、
投資ファンドをバブル崩壊から守ることができるでしょう。
しかし、あなたは、投資ファンドから解雇されるかもしれません。
 なぜか。
ライバルの投資ファンドは、このバブルに乗じて、大儲け。
基準額の推移を示すグラフは、まるで、鰻登り。
投資家からは感謝のメールが星の数ほど届き、
メディアからは賞賛の嵐。
こうなると、バブルだと知りつつも、止められない。
 結局、みんな、バブルだと知りつつも、
誰も、このチキンレースから降りられないのです。
 確か、私の記憶が確かならば、
ジェームズ・ディーンが主演した映画で、「理由なき反抗」という映画があったと思います。
その映画では、崖に向かって全速力で車を走らせるのです。
そしてギリギリのところで車から飛び降りるのです。
(あるいは、先にブレーキを踏んだ方が「負け」となったという話だったかもしれません)
 誰もが恐怖に怯えながらも、チキン(臆病者)と言われないために、
この無謀で危険なレースを続けるのです。
 書名 すべての経済はバブルに通じる
 著者 小幡 績  光文社新書
この本には、「現代のバブルが、どういうものか」について詳しいと思います。




















































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